医者かて人間 〜時間の切り売りやめたろ科〜

30代、3児の父。臨床医の3倍稼ぐ産業医。健康管理のプロ。相場には強気、女性には奥手。多忙からの解放と収入の多角化を実践するブログ。

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臨床医先生に伝えたい産業医の4つの魅力

 

臨床医先生 御侍史

 

いつも大変お世話になっております。

わたくし産業医歴がかれこれ十数年になります。

本日は産業医の魅力を愚考いたしました。

お忙しいところ大変恐縮ではありますが

何卒、御高診御高読いただけますと幸いです。

 

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産業医の魅力

予防的アプローチ

 

先生が医者をはじめて志したとき

メスを握る姿を想像していましたか?

それとも聴診器でしたか?

 

あれこれ思いをはせながら自分の専門科を選択して

苦労を重ねて知識や技術を身につけましたよね。

 

来る日も来る日も

症例を積み上げ、経験値を高めてきました。

 

 

そしてある時

ふと思ったことはありませんか?

 

この患者さん

なんでこうなる前に手を打たなかったの?

どうしてこんなになるまで放おっておいたの?

もっと早い段階で介入できたら

こんな処置までせずに済んだのに。

 

 

上医、中医、下医の話しではありませんが

そもそも治療が必要になる状態を作らないようにする

これは究極の医療だと思います。

 

そのチャンスを得られるのが、まさに産業医なんです。

健康診断の結果をみながらとか

長時間労働の状況をみながらとか

一人一人の社員に丁寧に接することができます。

外来のような3分診療をする必要はありません。

しっかり時間を割いて向き合うことができる環境があります。 

 

わたしは会社員の方と産業医面談をするときは

一人15分~60分、内容によりけりですが

たっぷり時間をとって関われます。

それだけで社員の医療者に対するイメージや満足度が大きく変わってきます。

 

 

1つの集団を1人の人間のようにマネージメント

 

臨床医が一人の患者を丁寧に診察して診断、治療していくように

産業医は1つの組織を観察して、診断や治療を試みます。

 

会社や組織と言っても色々な個性や特徴があります。

血流が悪い臓器 ≒ コミュニケーションがうまくいっていない職場

動脈硬化が起こりかけている ≒ あの部門は長時間労働が頻発している

血糖があがっている ≒ 上長のハラスメントがいき過ぎている 

 

そんな風に全体像を把握しながら

どんな打ち手があるかを考えていきます。

 

経営者をうまく振り向かせることができれば外科手術的な切れ味を持って

組織がダイナミックに動くさまを見届けることができます。

 

現場の職人たちにもれなく語りかけ続ければ

血糖値を安定管理していくような1歩1歩のあゆみで

自律的な組織の成長を気長に見守ることもできます。

 

 

 

 

極めて常識的な世界

医者の世界、病院内のコミュニケーションって独特だと思いませんか?

 

異常に厳しい上下関係

医師ーコメディカルのいびつな力関係

狂った金銭感覚

節操のない男女関係 などなど

 

ある意味、浮世離れした世界だったりします。

 

一般企業で働く人の組織に入ってみると

そんなことに改めてよく気がつくようになります。

 

人によっては

それは普通すぎてつまらなかったり

刺激が足りない感じすらあるかもしれません。

 

しかし

常識的で安心・安全なコミュニケーションが

容易にとれることは余計なストレスを抱え込まずに済むという点で

極めて大きい効果を果たしてくれます。

 

 

 

 

高いQOL

当たり前ですが

夜勤や緊急の呼び出しはありません。

土日や連休も会社が休みなら、産業医も休めます。

専属なら有給休暇もかなり自由に取ることができます。

会社の産休・育休を使えたりで、子育て中の医師にも働きやすい環境です。

男性にも女性にも、ライフプランを考慮した動きがとりやすい

少なくとも病院勤務よりは雲泥の差で理解を得られやすいと思います。

 

 

給料もやり方を間違わなければ素晴らしいです。

特に最近は関東の嘱託産業医の単価が上がっています。

月に1回、2~3Hの出務で8万~10万くらいです。

ちょっと名前が売れてくれば15~20万もあります。

 

1日2社、週4日の契約を作れたとしたら、どうでしょう?

1日20万×4日=80万/週 ですよ。

大学勤務の安月給がいかに医師の価値を下げていることか。

 

専属産業医であれば中堅世代で、1200~1600万くらいが多いゾーンです。

ついでに書くと、専属産業医はだいたい週4日勤務です。

残りの1日は、自由に使えることが多く

バイトや論文書きにあてることができます。

 

 

終わりに

産業医の世界ってなかなか不透明なところがあると思いますので

今後もその魅力を伝えていこうと思います。

 

産業医に向いているのは

専門性がどうこうよりも

人との柔軟かつ多様なコミュニケーション力が高い人だと思います。

 

臨床に疲れたとき

このままでいいのかなと思ったとき

産業医という選択も少し考えてみてはいかがでしょうか?