医者かて人間 〜時間の切り売りやめたろ科〜

30代、3児の父。臨床医の3倍稼ぐ産業医。健康管理のプロ。相場には強気、女性には奥手。多忙からの解放と収入の多角化を実践するブログ。

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マッキンゼーに学ぶ『生産性』~もうシャチクなんて言わせない~

仮想通貨外来のクリドクです。

マッキンゼーというと世界最高峰のコンサルファームですが
そこで採用担当マネージャーをされていた伊賀泰代さんの『生産性』を読んでみました。

働き方改革ブームの中、世界規模で一流と呼ばれる会社がどんな取組をしているのか知りたいと思ったからです。

採用部門の方だけに、効率的な採用とその後の育成についての記述が多くあり
それはそれで参考になりますが

今回は誰にとっても
知っておくと効率UPにつながるぞ!な部分をピックアップしてみます。

というか、半分は自分用のまとめでもあります。

生産性の向上とはコストカットのみにあらず


生産性 = 得られた成果/投入した資源  で表されます。

つまり生産性をあげるためには

成果を増やす
投入資源を減らす

この2wayで考えます。

さらに、それぞれについて

改善 と 革新 の
これまた2wayからアプローチをしないさいとのこと。


改善は日本の生産工場が得意なやつですね。
小さなムダをなくし、少しずつ効率を上げていくことの積み重ね。

オフィスだと
-共有フォルダのファイル名のつけ方を統一
-エクセルでマクロ組んで作業を簡便にする
-手書きの定型書類をワードでフォーマット化
こんな感じです。

革新の方は、仕組みそのものを変化させることで
-商品の設計をゼロから見直す
-新素材を採用して格段に性能UPした
という感じ。


こういった改善や革新は
業種や職種に関係なく、常に自分がリーダーだと思って考えていくのが重要

特に
ホワイトカラーのあなたこそ、徹底するべきだ!という主張が展開されていました。

生産性をあげる=成長


成果主義が導入されてから様子がおかしくなった職場がたくさんあります。
成果も大事ではありますが、行き過ぎた結果がいわゆるブラック企業。

そこで人事評価の項目に
生産性がどれくらい上がっているか、という視点を持てと。


 最初10時間かかった仕事

⇒5時間でできるようになった

⇒1時間でできるようになった

⇒手に入った時間を別の業務の生産性UPに使う

⇒1番上に戻る


このサイクルこそが成長なんです。


そして
評価が変われば、働き方も変わるもので

上司は、部下が作成した資料について
こんな視点を意識しておきましょう。


この資料。良くできているね!
ところで、これ作るのに何時間かかった?


徹夜? ⇒じゃあ次は、日中で済ませられるようにね
2時間? ⇒すごいじゃないか、順調に成長してるね


おそらく今の50代管理職には欠けがちな視点でしょう。

生産性をあげる方法


それではいよいよ具体的な手法の話を。

1.ストップウォッチを使い倒せ


マッキンゼーではすべての新人に
ストップウォッチの使用が義務付けられるそうです。

自分がいったい何の作業に
どれくらいの時間をかけているのかを把握させる狙い。

これは工場のライン作業者ではごくごく当たり前にやっていることで
ホワイトカラーもやってみようぜ、ということ。

実際にやってみると

自分が思っていた以上に、メールチェックに時間がかかっていたり
パワポの色使いに無駄に1時間費やしてしまったり
あるいは
スキマの3分で出来ることって結構たくさんあるよねと気づけたり

これを続けることで
時間の使い方が飛躍的にうまくなるそうです。

新人と言わず、すべての労働者が
1週間くらい徹底的にやってみた方がいいんじゃないかと思いますね。


2.ブランク資料でやり直しを回避


上司からの指示で資料作成ってありますよね。
つかみどころのないアバウトな指示で作らされ
頑張って作って持っていくと

そうじゃないんだよね~
ちょっと違うんだよ~
やり直しで。

この繰り返しが続くのは結構つらくて
うつになっちゃう人もいるくらいです。


こういうのは ようするに
上司だって何が正解かわかっていない
上司の頭が整理されていない

から起こっていること。



そこでよく言われるのが
100点を狙わずに30~40点で一旦もっていけばいいんだよ、ですね。

でも、要領が悪い人は、どのへんが30~40点かわからないし
完璧主義的な人は、それでもやっぱり95点くらいに仕上げないと気持ちが悪いんですよね。


マッキンゼーではブランク資料で、こういった事態を回避しています。

ブランク資料でGo!

資料の目次や小見出しのみを並べる
必要になりそうな図や表のタイトルのみ並べる
グラフは、何が縦軸で何が横軸かだけ書く

具体的な本文や詳細な数字は、一切書き込まない

これがブランク資料です。

中身を空けたままで作るからブランク資料。
作成する資料の設計図みたいなものです。


この状態で上司にもっていって

『この資料の中身が埋まれば、あなたは意思決定をできますか?』と問いましょう!

違うなら何が足りないのか確認して追加するだけ。

それでOKということになれば
中身を埋めていく作業を進めるだけです。

このやり方なら
検索する資料をあれもこれもと拡大して
無駄に時間を浪費してしまうってことがなくなります。
上司も意思決定をしないわけにはいきませんよね。


3.マッキンゼー流会議術


長時間労働者の多くがやたらと時間を取られるのが会議です。
この会議もマッキンゼーは一味違う。

たとえば、会議の議題一覧を作ると
参加者の反応がブレてしまいます。

・○○3周年記念イベントについて

これだと、イベントについて何かを決定していくのか
イベントの取組の素案を洗い出えばいいのかわかりません。

ですから
・○○3周年記念イベントのメイン出し物の素案出し
と書くそうです。

他に
・~~のテコ入れ策の決定
・~~調査の日程の最終確認

こういった形で
会議の達成目標一覧を作ってしまえば
会議参加者が何を求められているかわかりやすいですよね。


会議の目的と進め方

会議というものは
だいたい次の5パターンに絞られます。

・決断すること
・洗い出しやブレーンストーム
・情報共有
・合意や説得、承認
・段取りや分担など、ネクストステップの決定



洗い出しであれば
その場で、みなさんどうですか?は非効率ですよね。
立場の異なる2名に、簡単にたたき台的な意見を複数だしてもらっておいて
それにみんなで肉付けしていく形で進めると良いのです。

決断や決定だと
必要な情報は何か ということと
どういうロジックでその情報を扱うか
この2点を持っていないと決断ができません。


アンケート調査でどの項目が何%か、という情報 

何%以下だったら決定、何%以上だったら見送り、というロジック です。


情報収集ばかりに終始して何も決定できない会議というのは
ズバリこういう点に問題があるのでしょう。

デスクと座席の配置


スクール型にすると参加者は必ず受け身になります。

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ラウンド型にして、司会者と主催者が離れて座り
別々の2か所から声を出すようにすれば
他の参加者も発言をしやすいレイアウトになります。
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デスクを置くと資料の読込みが加速します。
反対に議論を重視したい場合は
あえて机をなくし、イスのみでラウンド型にします。


このように会議を一つ開くにしても
目的に応じて、その開催要領が定型パターン化されているのがマッキンゼー流。


その他に書かれていたこと


・数年に一度の超ハイパフォーマーが現れたときの育て方
・出世レースから取り残された中高年層の育成
・生産性に直結させるための研修設計 など


人事制度を見直したい方
部下との関わりを工夫したい方
最高効率のチームを育てたい方
組織をさらなる高みに引き上げたい方

こんな方々におススメしたい1冊です。

自分の働き方や作業効率を見直すための
きっかけ、ヒントがたくさん書いてありますよ。
ご一読あれ!